2020年3月

えんとつ町テイストの空間に花をおくと、集客力が落ちるという件~西野亮廣サロン記事

図解師★ウルフです!

僕も入会している西野亮廣さんのオンラインサロン「西野亮廣エンタメ研究所」の過去記事を紹介しています。(音声でも紹介しています!)

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西野亮廣エンタメ研究所の過去記事紹介!~2020年3月10日

(以下西野亮廣さんの記事の引用です)

おはようございます。
街中で「僕、西野さんに似てるって言われるんですよぉ~」と声をかけられても、「お、おお…」としか答えられないキングコング西野です。
#なんて言えばいい

さて。

今日は「『自由』は時に凶器だよね」という、タイトルで、最近の体験談をお話をしたいと思います。

先月、ふと思い立って、竹富島(沖縄)に行ってきたんです。
宿泊したのは星野リゾートさんが運営されている『星のや竹富島』なのですが、そこが本当に最高だったのが、“何も無い”んです。

厳密に言うと、「何も無い」を作っているんです。

竹富島の夜って、メッチャクチャ暗いんですね。
「そういえば『夜』は不安で、怖いものだった」と教えてくれるぐらい暗いんです。

なので、「月明かり」や「外灯」や「遠くに見えてきた宿の弱い光」に安心させられるんです。
すっかり忘れていた「光の温度感」や「光の安心感」を思い出させてくれるんですね。

『星のや竹富島』も、その文脈上をキチンと守っていて、敷地内に入っても、まだ「暗い」んです。

部屋は一軒ごとに「離れ」になっているのですが、フロントから、自分の部屋に行くまでの道がキッチリと暗くて、移動する時は、部屋に付いている『懐中電灯』を使って、足元を照らさなくちゃいけない。

ちなみに、最近、懐中電灯で足元を照らして歩かれました?
歩いてないですよね。

これは、まさに、「暗い」に価値が生まれている瞬間なのですが、オーナーのサービス精神から敷地内に外灯なんて設置してしまったら、この価値が下がるわけじゃないですか?

外灯なんて設置したら、「懐中電灯で足元を照らして歩く」というエンタメと、暗い場所から明るい場所に辿り着いた時に生まれる「安心感(感情の揺らぎ)」を、根こそぎ奪ってしまう。

竹富島に行く理由が一つ無くなるわけですね。

ちなみに、島のガソリンスタンドも屋根が赤瓦になっていたのですが、全体を通して持った感想は、
「竹富島は、ずいぶん俯瞰からデザインされているなぁ」
でした。

だいたい、日本の地方(田舎)って、東京に憧れたオジサン達が、地元民しか喜ばない東京のコピペのコピペのコピペみたいな糞建築物を量産して、外から来る人を減らして、お金が落ちなくなって、死んでいくじゃないですか?(※口が悪いぞ!)

しかし、竹富島には、それがありません。
原風景をキチンと残しつつ、住民の生活を守りつつ、キチンと島にお金が落ちるように設計されています。

この機会にいろいろ調べてみたのですが、『星野リゾート』さんも、地元の方々と3年近く協議を重ねられたそうです。

更には、竹富島の景観条例を読んでみたのですが、結構、厳しめに書かれていました。
なるほど、なるほど。

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▼ どうなる、えんとつ町
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一昨日、スナック『CANDY』で、サロンメンバーさん達と呑みました。

その中のお一人が大阪ミナミで新たに「民泊」を運営されるらしく、そこを『えんとつ町』テイストにしたいのだと。
内装デザインは済んでいて、来月か再来月には着工されるそうです。

その流れで、部屋に置く『テレビ』の話になりました。

いわゆるテレビを置いてしまうとシラけるので、画面の外枠を作って『えんとつ町テイスト』のテレビを作られようとしていたのですが、そもそも、「お金を払って、わざわざ『えんとつ町』の部屋を選んで泊まりたい人(※日常から少し離れたい人)が、日常を発信してくるテレビを観たいか?」という問題があります。

「機能性を求める人は、アパホテルを選ぶんじゃねぇの?」という話です。

僕だったら、テレビなんて絶対に要らなくて、その代わりに、世界で、その部屋にしかない『えんとつ町の巨大な風景画(油絵)』とかが壁にドーンと欲しいし、
宿泊客によって、その油絵がインスタにアップされ続けて、集客装置になるでしょうから、経営のことを考えても、そっちの方がいい。

民泊のオーナーさんは「おー!なるほどー!そうします!」とおっしゃってくれていたのですが、おそらく全国に散らばっている『えんとつ町』テイストの空間は、各地で「竹富島に外灯を設置する」みたいなことをやっていて、魅力と集客力を落とされていることでしょう。

以前、スナック『CANDY』に来たお客様が、店の中に飾る花を持ってきたことがあって、お断りしたんですね。

お客さん的には「良いこと」をしているつもりだと思うのですが、空間を販売している側からすると、美術品の持ち込みは『犯罪行為』で、ルーブル美術館に展示されている『モナリザ』に自分なりの絵を付け足しているようなものです。

世界観が壊れ、シンプルに「売上」が落ちて、そこで働いている人達が食えなくなるんです。

ここの自覚がお客さんにも無ければ、実は、空間オーナー側にも無いのが『えんとつ町』テイストの建物で、
この辺は「みんなで作る」とは言いつつも、そろそろ「景観条例」を設けないと、守ってあげられなくなってきたなぁと思っています。

場合によっては、「店に飾ってくださーい!」と持ってこられた『えんとつ町にあるハズがない花』を断れないオーナーさんもいるので。

(※本当は、オーナーさんは持ってこられた花によって、売上や集客力がどれだけ落ちるかの算盤をはじけなきゃいけない)

「自由」は時に凶器で、「BBQにもルールがあるぞ」という話ですね。

「『えんとつ町』が何を大切にしていて、そこには何があって、何が無いのか?」といった理念、そして「ここの価値は何なのか?」ということを詰めて、共有し、その中でも皆で作り上げていけたらいいなぁと思います。

現場からは以上でーす。

https://silkhat.yoshimoto.co.jp/projects/1234

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