お会いできて光栄です。図解師★ウルフと申します。
・世界の真実を正しく見たい人
・「10の思い込み」を克服するための方法を知りたい人
・『ファクトフルネス』という本の内容をサクッと知りたい人
そんな方のためにこの本の重要な部分だけを、抽出し要約し図解化しました。
図解だけなら3分で読めますので、「図解版 ファクトフルネス」をご覧下さい!
『ファクトフルネス』ってこんな本
一言でいうと「世界に驚きをを与えた教養本」です!
ファクトフルネスとは…「データや事実にもとづき、世界を正しく読み解く習慣」のこと。多くの人が囚(とら)われている「思い込み」を理解し、それらから解放されることで、世界の真実を正しく見るスキルを学ぶことです。
本書では世界の本当の姿を知るために、教育、貧困、環境、エネルギー、人口など幅広い分野を取り上げています。いずれも最新の統計データを紹介しながら、世界の正しい見方を紹介します。
特に本書の最初に出てくる「13の質問」、この通称「チンパンジークイズ」は非常に印象的です。世界の一般常識と言える内容の3択クイズであるにも関わらず、多くの国の正答率が33.3%以下…チンパンジーが適当に選ぶより低い正答率になっています。
著者が伝えたいこと…それは「思い込みが多くの人を真実から遠ざけているということ」
最初のクイズの代表的な5問を下の図解で紹介していますので、あなた自身挑戦してみてください。そして思い込みによって、世界の真実を見誤っていることに気づいてください。
本書は日本では2019年1月に発売され、2021年1月にで累計発行部数100万部を突破しました。
2020年の年間ベストセラー(ビジネス書・トーハン調べ)、オリコン年間BOOKランキング2020(ジャンル別・ビジネス書)で1位を獲得した2020年に最も売れたビジネス書となります。
内容についても、高く評価されており、「ビジネス書大賞2020」(実行委員会:ディスカヴァー・トゥエンティワン)の大賞を受賞、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2020」(主催:グロービス経営大学院、フライヤー)で総合1位、「第30回TOPPOINT大賞」(TOPPOINT誌調べ)の大賞を受賞しています。
ただ「本を読む時間がない」という方のために、本書の考えと重要な内容だけを図解でまとめ要約しましたので、まずは次章よりご覧いただければと思います。
それでは「図解 ファクトフルネス」スタートです!!
『ファクトフルネス』を図解で要約
本書は、世界で300万部を突破するビジネス書で、特に日本では発売から1週間で10万部、20日で20万部を超えるという異例のベストセラーとなっています。
われわれはこの本によって、教育・貧困・環境・エネルギー・人口など幅広い分野における世界の真実を知り、また自分自身の「思い込み」により、今までどれだけ真実から遠ざけられていたかを知ることができるでしょう。
著者のハンス・ロスリング氏は、世の中を「ドラマチックすぎる世界の見方」で見るのではなく「ファクトフルネス」つまり「事実に基づく世界の見方」で見る習慣をつけるべきだと言っています。
「10の思い込み」に書かれているように、人間には瞬時に何かを判断する本能と、ドラマチックな物語を求める本能があり、どうしても「ドラマチックすぎる世界の見方」をしてしまうのです。
ただ、それは我々一人一人が「事実に基づく世界の見方」をするようになれば変わるはず。
それがロスリング氏がこの書籍にかけた想いです。
「この本は、わたしにとって本当に最後の闘いだ。何かひとつ世界に残せるとしたら、人々 の考え方を変え、根拠のない恐怖を退治し、誰もがより生産的なことに情熱を傾けられるようにしたい。」(『FACTFULNESS』日経BP社より引用)
さまざまな国で壇上に立ち、世界の圧倒的な知識不足と闘ってきた著者の想いのすべてこの本に詰まっています。さてこの本の最初に出てくる13問のクイズ。
一般的な情報をもとにしたクイズであるにも関わらず正解率が低く、世界で多くの人がチンパンジー以下(33.3%以下)であることから、「チンパンジークイズ」と呼ばれています。
その中でも、特に一般的な内容でかつ正解率が低い問題を紹介しています。
これを見ればわかるとおり、どれも複雑な問題やひっかけ問題というわけではありません。
ぜひ実際に試してみて自身の正解率を確認してみてください。
【参考】
ファクトフルネスの共訳者である上杉周作さん作成のホームページで、実際に12問のクイズを体験できます。
ホームページはこちら↓
あなたの正解率はいかがでしたか?
正解率が1/3を超えればあなたは世界のチンパンジーたちより優秀です!すばらしい!!
さてここからが重要なのですが…
それではなぜ世界中の多くの人たちが、チンパンジー以下の正解率になってしまっているのでしょうか?
それは、以下で紹介する「10の思い込み」によるものに他なりません。
毎日新しい情報に触れていても、最先端の技術を知っていても、高いIQを持っていても、これらの思い込みを抑えられなければ、チンパンジー以下になってしまうのです。
あなたの世界を正しくするためには、「10の思い込み」を抑えることが重要なのです。思い込み1つ目は「分断本能」です。
これはあなたにも経験があるのではないでしょうか?
クラスメイトや同僚を「自分の仲間」と「それ以外の人たち」とに分ける考え方ですね。
でも実は世界はそんなに単純ではありません。
単純でないものを単純に切り分けようとすることで矛盾が生じ、誤った世界に見えてしまうという本能です。
この解決策は、「2つではなくせめて4つに分類すること」。
例えば世界の所得レベルも単純に「途上国と先進国」に分けるのではなく、1日あたりの所得に応じて4つのレベルに分けるのです。
これにより、世界の解像度が格段にアップし、思い込みに振り回されないようになります。2つ目は「ネガティブ本能」です。
毎日報道される世界中の悪いニュース…これによってわたしたちは「世界はどんどん悪くなっている」と感じてしまっています。
でも実際にはそうではなく、奴隷制度も乳幼児の死亡率もHIV感染も天然痘も悪いことは減り続けていて、良いことは増え続けています。
どんどん「より良い世界」になっているにもかかわらず、全く逆だと思いこんでいるのです。
この解決策は「”悪い”と”良くなっている”の両立を知ること」。
世界に課題はたくさんあります。
でも、多くの人たちの日々の努力により、世界はどんどん良くなっているのです。
赤ちゃんの成長を見て、「このまま大きくなったらすぐに2メートルを超える子供になってしまう!」と心配する人はいません。
今のままのスピード成長するわけではないということを皆が知っているからです。
ただ人口動向など、身近ではない数値となると今までの変動と同じ動きをすると考えて心配する人が数多く存在します。
これが直線本能です。
では実際には人口はどのように推移するのでしょうか?
現在、世界人口は約76億人。そしてすでに人口が増えるスピードは緩やかになりつつあります。
国連予測による2100年にはおおよそ40億人増えると言われていますが、それがMAXで人口は100億~120億人で安定すると見られています。
なぜか?出生率が大きく減少しているからです。
これは所得の増加=世界の経済的成長にも大きく関係しています、女性ひとりの子供の数の推移をみると、1965年5人に対し2017年は半分の2.5人になっており、これからも減り続ける予測になっています。
結局、これから増えるのは平均寿命が伸びることで増える60歳以上の高齢者であって、赤ちゃんではないということです。
そのため、直線的に人口が増加するということはなく、どこかでが横ばいになるのです
「人口がひたすら増え続ける」という考えが誤りであることはご理解いただけましたか。
この解決策は「グラフのさまざまな形を知ること」。
多くのデータは直線ではなく、S字カーブ、すべり台の形、コブの形、または倍増する線のほうが当てはまります。
もしあなたの知り合いが直線だけを見て未来を心配していたら、赤ちゃんの成長曲線を例に出して、その心配を解消してあげましょう。次の思い込みは「恐怖本能」です。
これは「恐ろしいものは目に入りやすく頭に残りやすい」ということ。
多くの人が、交通事故より飛行機事故のほうが凄惨で恐ろしいと感じてしまいますが、実際にあなたが飛行機事故に遭遇し死亡する確率は飛行機事故が0.0009%とかなり低い数字です。
交通事故の死亡率は0.003%なので、「飛行機事故は恐ろしい」というイメージによって、車で移動しようとする行為は死亡事故遭遇率を考えると誤りなのです。
この解決策は「リスクを正しく計算し自分ごとに置き換え理解すること」。
リスクとは危険度と頻度であることを理解しましょう。
そして、本当に危険なものから自分や大切な人を守るように行動しましょう。
次の思い込みは「過大視本能」です。
実はみんな、物事の大きさを判断するのは下手くそなのです。
例えば「0歳児の死亡数」といった、情に訴えかける数字をひとつだけ見せられると、誰もが「こんなに多くの赤ちゃんが亡くなるなんて、医療は本当に進歩しているのか!」と考えてしまいます。
たしかに、赤ちゃんをなくすことがどれほど辛いか想像すると、辛さしかありません。
だからこそ冷静に状況を理解する必要があるのです。
420万人という数字は決して小さい数字ではありません。
ではその前の年はどうだったのでしょうか?2015年は440万人の赤ちゃんが亡くなっています。
さらにその前の年は?450万人。
もっともっと前は?1950年は1440万人です。
なんと66年前には今より約1000万人も多い赤ちゃんが亡くなっていたのです。
もうおわかりでしょう。
ひとつの数字だけを見て判断するのは、間違いのもとなのです。
この思い込みの対応策は「他の数字と比較して判断すること」。
特に情に流されてしまうと冷静な判断ができず、結果真実を遠ざけてしまうので要注意です。
次の思い込みは「パターン化本能」です。
これはたったひとつの事象がすべての事象に当てはまると考えてしまうことです。
分断本能の際にも述べたように、世界を2つに分類し、「あっち側かこっち側か」という見方だけで考えてしまうと、誤ったイメージを先行させてしまいます。
多くの人は、パターン化を止めることはできません。
だから間違ったパターン化をしないように注意することが重要です。
この思い込みに対する解決策は「分類を疑うこと」。
同じ集団の中にも違いはあるし、違う集団の中にも共通項はあるということを知ることです。
また頭に残りやすい強烈なイメージにも注意し、それに引っ張られていないか、自分自身を疑ってみることも大事です。
次は「宿命本能」です。
これは、人や国や宗教や文化は、持って生まれた宿命によって決まるという思い込みです。
上の図解に書いているエピソード読んでいただけばわかる通り、ファクトフルネスを提唱する著者ですら、「アフリカはヨーロッパを超えることはない」という思い込みから逃れられていなかったということです。
変わっていないと思ってしまう人も国も宗教も文化も、実はほんの少しづつ変化しているのです。
だからこの思い込みに対する解決策は「変化を意識すること」です。
これは、自分のおじいさん・おばあさんと話をすることで価値観の違いを認識してもいいですし、過去の文化が変わった例を集めてもいいです。
少しずつでも変化している事に気づけば、「ずっと今のまま」という思い込みは自然となくなります。
次は「単純化本能」です。
私は子供の頃、「世界で起きている事象を説明できるひとつの法則が、世界のどこかにあるはずだ」と自然に考えていました。でもこれこそが単純化本能でした。
単純化本能とは、世界のさまざまな問題にひとつの原因と一つの解答を当てはめてしまう傾向のことです。
たしかに、自分の頭にひらめいたシンプルなひとつの解が、ほかのすべての問題を解決してくれるのであれば、世界はシンプルに談じることができます。
でもこの考えにとらわれてしまうと、すべてひとつの考えにそって考えてしまい、異論が許されなくなってしまいます。これは正しい姿ではありません。
この思い込みに対する解決策は「ひとつの視点だけでは世界を理解できないと知ること」。
複雑さを受け入れましょう。違う考え方を組み合わせましょう。妥協もしましょう。複雑さを喜んで受け入れましょう。
なにかが起きたとき、単純明快な理由を見つけたくなる傾向が、「犯人捜し本能」です。
物事がうまく行くときも行かないときも、人やグループに原因を求めたがります。でも実際には絡み合った複数の原因やシステムにより、その状況が生み出される事がほとんどです。
誰かを責めると他の原因に目が向かなくなり、将来同じ間違いを防げなくなります。
この思い込みに対する解決策は「誰かに責任を求める癖を断ち切ること」です。
発生した事象を検証する場合、犯人でもヒーローでもなく、原因を探すようにしましょう。
最後の思い込みは「焦り本能」です。これは多くの方に理解されやすい内容ではないかと思います。
冷静に考えれば急いでやる必要のないことでも、焦りに支配されると「一刻も早くやらないと!」と愚かな判断を実行してしまうのです。
そんなときは、まずは深呼吸をして一息つきましょう。今じゃないといけないなんてことはないし、チャンスは一度きりじゃありません。
「いつやるの?いまでしょ!」と考えてしまうと思考停止を生んでしまうということです。
この解決策は「自分の焦りに気づくこと」。
焦って大きく動こうとするとだいたいが失敗するので、焦り本能を抑えてちいさないっぽをかさねるどりょくをしましょう。
どうでしたか?結構あなた自身に思い当たることがあったのではありませんか?
でもこの本を通じて、これらの思い込みを知ったあなたはファクトフルネスの実践に大きく近づいたはずです。
毎日声を出して読む必要はありません、ただ「こういった思い込みがあるんだ」ということを少し頭にインプットしておいていただくだけで、自身の思い込みから逃れることができます。
最後に、10の思い込みと克服する方法をまとめましたので、これからの人生の参考にして下さい。
思い込みにとらわれない人生を!
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『ファクトフルネス』図解後記(2021/06/15)
図解を最後までご覧いただきありがとうございました!
ここまでご覧いただいたあなたに、ひとつ試していただきたいことがあります。
人の目がどれだけ節穴なのかを知ってほしいのです。
下の動画の中で、15秒間、白と黒がそれぞれのチーム内でパスをします。白のチームが何回パスをするのか、目を凝らして数えてみてください。
解答も動画に出てきますので、ご覧ください
いかがでしたか?
自分の偏った思い込みが真実を歪め、すぐ目の前で発生している事象も歪めてしまうか、ご理解いただけたのではないでしょうか。
本書はわれわれに大きな影響を与える「10の思い込み」を認識させ注意喚起することで、世界の真実に近づくための正しい見方ができるよう促してくれる本です。
僭越ですが…この図解が一人でも多くの方にとって、本書を読み始めるきっかけになって頂ければ…ウルフにとってこれ以上ない幸せです!
図解師★ウルフでした!!
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